麻酔科
当院の麻酔科は常勤医2名です。加えて、鹿児島大学麻酔科医局から月・火・木・金曜日に応援を受けて、麻酔科医が2~3名の体制で手術麻酔の管理を行っています。
当院で手術を行う科は、整形外科・消化器外科・泌尿器科・脳神経外科・眼科です。
2022年度の局所麻酔を含む総手術件数は944例で、そのうちの763例が麻酔科管理症例でした。2021年度の総手術件数1015件、麻酔管理件数859件と比較すると減少しました。
2022年度は麻酔科部長の交代が7月、1月と2回ある中で、健全で持続可能な手術室運営を構築するために模索した1年でした。予定手術・準緊急手術は17時までに終了できるような症例調整・管理をしています。また、現時点で木・金曜日と第二水曜日の夜間帯は麻酔科不在となるため緊急手術は受けないこととなっています。手術件数の減少はこれらの変化に伴うものと考えます。
また、新型コロナウイルスに関してですが、術前PCR検査を全例施行していましたが、2023年5月からは検査を廃止し、標準的な感染対策を行いながらの対応としています。コロナ感染症の流行で得た、感染防御に関するスタッフ全員の理解と技術で対応していきます。
当院で行う麻酔内容は全身麻酔、硬膜外麻酔、脊髄くも膜下麻酔、エコーガイド下神経ブロックを行っています。安全を第一として、患者様の希望に寄り沿った麻酔を行うため、丁寧な術前説明を心がけています。各麻酔方法の利点・欠点を説明したうえで患者様と一緒に麻酔方法を決定したいという姿勢で向き合っています。
地域の特性から、手術対象患者は高齢者が多くを占め、90歳を超える超高齢者の麻酔を行うことも珍しくありません。年齢は周術期合併症発症の大きなリスクです。今後さらに超高齢患者の麻酔を行う機会は増加していくと考えられます。その中でどのように備えれば安全に手術麻酔が行えるか日々学び、考え続けていく必要性を強く感じます。他科の先生、コメディカルの皆さんと連携して患者様の安全を守っていきたいと思います。
鹿児島大学麻酔科の医局員は年々減少しており、マンパワー不足が深刻な問題となっています。大学の機能を維持し、さらに地域の手助けとなるよう配慮することは容易なことではありません。そのような状況下でも、今後も大学との連携を密にとり、麻酔科の立場から地域に貢献できるよう努力していきたいと思います。
人事(2024年4月現在)
原薗 登紀子 | 麻酔標榜医 麻酔科専門医 |
國吉 真歩 | 麻酔標榜医 |