緩和ケア病棟とは
がんの患者さんとご家族が、穏やかな日々を過ごしていただくようお手伝いをする病棟です。患者さんやご家族の苦痛を和らげ、その人らしい時間を過ごせるよう、さまざまな専門職種によるチーム医療で支援します。
以前は終末期の患者さんを対象とし最後まで過ごすことが多かったのですが、最近は自分の家で少しでも長く過ごすために、がんに伴う苦痛が強いときに早めに入院して症状コントロールを行い、落ち着いたら退院してまた自宅で過ごすといった在宅支援をすることも多くなりました。
また、がんに伴う苦痛は病気のいろいろな時期でみられます。現在はそれらの患者さんにも対象を広げ、たとえ治療中であっても苦痛がひどいときは緩和ケア病棟を利用し、症状が改善したら退院してまた治療に臨むといったことも行うようになり、緩和ケア病棟の利用の仕方は幅が広がっています。
緩和ケア病棟の様子
緩和ケア病棟(3階)ご案内
- 一般個室(バス、トイレ、冷蔵庫、インターネット回線等)・・・8室(無料)
- 特別室(バス、トイレ、キッチン、畳スペース、クローゼット、冷凍冷蔵庫、インターネット回線等)・・・2室(有料8800円/日税込)
スタッフ紹介
医師
患者さんとご家族の身体的・精神的苦痛を和らげるため、専門的な知識に基づき医学的に対処します。また、多職種からなるチーム医療の中心に立ち、総合的に力を結集して治療にあたります。そして、少しでも本人が望まれる過ごし方が出来るように、お手伝いをしていきます。
薬剤師
緩和ケアでは薬剤の特別な使い方も多いため、緩和ケアに関する専門的な薬剤の知識が必要となります。薬剤師はそのような薬剤の説明や相談を行っております。また処方されている薬剤の飲み合わせや量のチェックも行っております。
リハビリ
リハビリテーション科では患者さんの希望に応じたケアを提供しています。例えばむくみの改善や体を動かしやすくするためのマッサージ、歩く練習、自宅退院に向けての指導などを行っています。また、ご家族に簡単なケアの方法を指導することもあります。
栄養士
緩和ケアでは食欲不振や嘔気嘔吐など、食事に関する様々な症状が出てきます。その中で食事の楽しみが少しでも得られるように、患者さんと随時相談しながら、嗜好を第一に考えた個別対応の食事を提供しています。また、自宅での食事に近づけるよう食器の工夫もしています。
看護師
患者さんの状態を把握し医師へ情報を伝えるとともに、投薬や傷の処置、排泄の援助など実際的な看護を行っています。また、本人やご家族のお話しをよくお聞きし、精神的な看護も行います。季節感を取り入れた行事の企画など、ゆったりとした入院環境づくりに努めています。
社会福祉士
患者さんやご家族の社会的に気がかりなことへの相談に応じています。例えば医療費やご家族の生活への心配、医療・福祉サービスの紹介などがあります。また介護用品についてなど、誰に相談したらよいかわからず困っていることがありましたら、何でもご相談ください。
公認心理師
患者さん、ご家族の方のお話をよく聴かせていただき、入院生活が少しでも楽に過ごせるようお手伝いしたいと思っています。病気の不安やつらさについてだけでなく、趣味のことや昔の思い出話しなど、何でも話したいことを話していただければと思っています。
Q&A
Q1.どのような時に入院できますか?
がんに伴う苦痛があればいつでも利用できます。
ただし病床数が少ないため、より重症の患者さんに多く使っていただけるよう、軽症の場合は外来を中心に出来るだけ症状緩和に努めるようにしています。
Q2.入院の手続きはどのようにすればいいですか?
まずはかかりつけ医や現在の担当医にご相談いただき、紹介状を書いていただいてください。その後、外来診察(本人が来院できない場合は家族のみでも可)を行い、入院時期などの検討を行います。
Q3.入院料はどれくらいですか?(医療保険は使えますか?)
通常の保険診療になります。特別室は別途個室料が発生します。
Q4.緩和ケア病棟は見学できますか?
病棟見学は随時受け付けています。当院連携室までご連絡ください。見学だけの場合紹介状は不要です。
Q5.今している保険外治療は継続できますか?(民間療法など)
継続したいと考えている療法に関しては、可能な限り続けられるよう考慮いたします。ご相談ください。
Q6.家族の付き添いはできますか?
付き添いに特に制限はありません。出来るだけご家族との時間も大切にされてください。
Q7.外出・外泊・退院はできますか?
症状に応じて随時外出、外泊も行っております。お気軽にご相談ください。
症状が安定すればそのまま退院される方もいらっしゃいます。
医療関係のみなさまへ
紹介の窓口は当院の連携室になっております。まずは紹介状を作成のうえ連携室にご連絡ください。
入棟にあたっては事前に入棟判定会議を行い、適応や入棟順の決定を行います。その前に可能な限り一度本人・ご家族(本人が難しい場合ご家族のみでも可)の外来受診をお願いしております。
もし最近の画像検査や血液検査等のデータがあれば、緩和治療行うにあたっての参考になるので持参していただけると助かります。
入院が必要な状態で緩和ケア病棟にすぐに空きが出ない場合は、緩和ケア病棟が空くまでの間、当院の一般病棟に入院していただき、緩和ケアチームで可能な限りの対応を行っております。その際はご相談ください。